右フックブログ

ノリと気分で書きたい記事を書くよ。ツイッター:@INVINCIBLE_AIRP

”野原ひろし”というキャラクターのお話

右です。

 

皆さん「世界一カッコイイ父親キャラ」と言われると誰が思い浮かぶでしょうか。

私は”野原ひろし”を推します。

これは私に限った話ではなくて、多くの人がひろしを挙げると思うんですよ。

では何故”クレヨンしんちゃん”なんていう子供向けのギャグアニメのキャラクターであるひろしをどいつもこいつもこぞってカッコイイと思っているのかなんですけど、原因は十中八九この映画でしょう。

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ガキの頃見ても大人になってから見ても二度美味しい映画として悪名高いオトナ帝国です。

 

ここからはオトナ帝国を見た事がある前提で話を進めるので興味が湧いた人は視聴してからの進む事を推奨します。

 

 

 

 

 

この映画で描かれる”野原ひろし”というキャラクターが余りにも良いんですよね。

でですね、最近youtubeで非常に興味をそそられる考察動画を見たんですよ。

 

www.youtube.com

 

こちらの考察動画です。

「”野原ひろし”というキャラクターの視点から見たオトナ帝国」について考察しているのですが、この動画の内容が非常に興味深かったので見直しましたよ。オトナ帝国を。

 

そうしたらですね、やっぱりひろしは良い親父だなーと思っちゃうんですよね。

考察動画のメインとなっているのは自分の足の臭いを嗅いで正気に戻った後のひろしの心境です。

昭和の臭いに洗脳され、「自分が父親である」という事をすっかり忘れて童心に帰っていたひろしが、しんのすけに自分の足の臭いを嗅がされて正気に戻るシーン。

ここが本当に何回見ても泣いちゃうシーンなんですが、より深く考察する事で更に泣けると。

 

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足の臭いを嗅いだひろしが徐々に記憶を取り戻す回想シーンです。

まずこの場面の何が良いのかというと台詞が一切無い事です。

回想は3分ちょいあるんですけど、台詞が一つも無い。

子供向けの映画であるにも関わらずですね。

この回想シーンのターゲットは完全に”オトナ”という訳です。

実際当時の映画館は大人だけが泣きじゃくってて子供は親が泣いている意味が分からず、混沌とした雰囲気に包まれていたそうです。地上波で初めて見たんで知らないですけど。

 

話を回想に戻しまして、まだ自転車も漕げなかったガキの頃から小中高と流れていきます。

やがて上京し、みさえとの出会いがあり、夏でも冬でも営業マンしてる場面が流れ、やがてしんのすけが生まれると。

ここから回想は「”父親”としてのひろし」の内容にシフトしていきます。

 

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今の野原家に引っ越すシーン

 

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子供達と一杯飲むシーン

 

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そして最後はかつての自分がそうして貰っていたように、後ろに我が子を乗せて自転車を漕いでいるシーンが流れ、長い回想が〆られます。

この回想だけでも「ひろしは誰よりも家族を愛している事」が分かります。

 

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そして現実に戻り、ひろしは泣きながら我が子を抱き寄せると。

問題はこの画像のシーンです。

考察動画の内容を要約しますが、まず注目すべきはひろしの足です。

まるで胎児のように丸まってますね。

”父親”に戻ったなら無理にでも笑顔を作ったり上体だけでも起こして息子を抱き締めるはずですが、ひろしはそうせずにみっともない恰好で泣きじゃくっている訳です。

ひろしは”父親”なのだからそのぐらいの見栄やプライドだってあるはずなんです。

そうしないのは何故か、というと「ひろしは自分が現実に”戻ってしまった”事を悟ったから」だと動画では考察されています。

「家族を大切に思っているひろし」も勿論存在して、それでも「家族を煩わしく思ってしまっているひろし、”荷物”として認識してしまっているひろし」もまた存在しているわけです。

非常に分かり易く”矛盾”してる訳ですが、こういうのって凄くよくある話だと思うんですよ。

かく言う私も一人暮らしを始めた理由は家族が鬱陶しかったから、自分のパーソナルスペースをもっと広く確保したかったからなんですが、別に家族に死んで欲しい訳では勿論ないんですよね。

生きてて欲しいし、切っても切れないし切りたくもない縁”肉親”にはある訳ですよ。

「ひろしは家族をどれ程大切に思っているのか」というのを長い回想を通して認識させる事で、「ひろしが現実に戻ってしまった事で一瞬のうちに襲ってくる”喪失感”、”葛藤”が描かれている場面であると動画では考察しています。

これは私も本当にそうだと思いましたね。納得出来ました。

ひろしが泣いているのは「”父親”に戻らないといけないから」なんですよね。

戻らないといけないのは分かってて、でも戻りたくない。

だから足を丸めてるんですね。現実に行きたくないからです。

駄々をこねたいけど息子の前でそんな事は出来ない。だからひろしは泣くしかないんです。

 

一見するとひろしが情けなく見えますが、それでもひろしって結局”家族”を取るんですよ。

この考察を見て私はより一層ひろしを”カッコイイ父親”として推せるようになりました。

だって普通戻らなくないですか?

自分だったら戻らないと思うんですよ。家族捨てる思いますよ。

居ない方が楽だし忘れさせて貰えるんですからね。そりゃ捨てますよ。

忘れられるんだから。

こんなに楽な道があるのにひろしは”家族”を選んで立ち上がったんですわ。

ひろしかっこよ過ぎない???

こんなカッコイイ父親居ませんよ。

 

っていうのを言いたい記事でした。

まだオトナ帝国未視聴の方は是非見てください。

ではでは。